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MY本棚 (住宅)

 『 i 』 新建築 2001.4 
東京都渋谷区
設計 青木淳建築計画事務所
構造 金箱構造設計事務所
施工 深澤工務店
階数 地下1階 
   地上2階(中2階あり)
構造 鉄筋コンクリート造
面積 敷地面積 61.29㎡
   建築面積 36.52㎡
   延床面積 108.89㎡
   地下1階 34.34㎡
     1階 30.42㎡/中2階 17.11㎡ 2階 27.02㎡
   建ぺい率 59.58%(許容60%)
   容積率  118.43% (許容150%)
最高高  8,820㎜ 軒高 8,820㎜
地域地区 第1種低層住居専用地域 第1種高度地区

※北側斜線に沿って片流れに、道路斜線の制約上、頂部を欠き取られたかたち。
 地下の床高さは、下水の自然流下が可能な範囲で、ぎりぎりまで下げる。
 下水接続の簡便と斜線制限の中で、最大限のヴォリュームがつくられる。
 建物の基本形はこれらによってほぼ決定されている。
 コンクリート造の外断熱としてつくられ、スタイロフォームを打ち込まれた
 上に建物全体を木(南洋木材)で包まれている。
 三角に切り取られた開口、そこからのぞく内部の壁、天井のようすが
 なにかありそうだと思わせる。
 シンプルな間取りの中に、複雑な空間が存在する。
 コンクリート打放し+パテズリ AC-クリアの内部仕上げが空間に表情を
 あたえ、ここだけにしかない場所をつくっている。


 『 中野本町の家 』 別冊新建築 日本現代建築家シリーズ(12) 1988 
東京都中野区本町
設計 伊藤豊雄建築設計事務所
構造 田中実
施工 明石建設/家具:ロココ
階数 地上1階 
構造 鉄筋コンクリート造
面積 敷地面積 367.61㎡
   建築面積 150.97㎡
   延床面積 148.25㎡
最高高  4,600㎜
地域地区 第2種住居専用地域 準防火地域   

※『ホワイトU』という呼称もあるように、この家は約75㎡の馬蹄型コートを
 2枚の壁がU字型に取り囲んでいる。
 内部では白く塗られた湾曲した壁が連続した空間をつくり出している。
 スリット状のトップライトやコートに面した開口から柔らかな自然光が
 取り入れられて、白い壁に沿って広がりながら空間を満たしていく。
 壁が湾曲し、天井が中心に向かって傾斜している空間には、やわらかな光が
 動きをつくり、そして人が動くことによって、さまざまな表情をみせてくれる。


 『 曽我部邸 』 住宅特集 2007.7 、Casa BRUTUS 2008 February 
横浜市
設計 曽我部昌史+丸山美紀
構造 すわ製作所
設備 東京電力生活エネルギーデザインセンター
施工 深澤工務店
階数 地下1階 
   地上2階
構造 木造一部鉄骨造
面積 敷地面積 121.00㎡
   建築面積 54.00㎡
   延床面積 134.00㎡
   地下1階 26.00㎡
     1階 54.00㎡ 2階 54.00㎡
   建ぺい率 44.60%(許容60%)
   容積率  110.70% (許容150%)
最高高  9,260㎜ 軒高 7,610㎜
地域地区 第1種中高層住居専用地域 準防火地域 第3種高度地区

※敷地境界線沿いに地面の高低差を上書きするように、ひとつながりの床が
 折り畳まれている。
 間仕切り壁のほとんどない一体的な空間であるが、隣地の状況に応じて
 開けられた開口部や、敷地境界線に合わせて微妙に屈曲した平面形状により、
 単純に一望できるワンルームとは違う場所ごとの性格をつくり出している。
 内装についても、2階は外部の景色がくっきり見えるように焦茶色の
 ラワンベニヤ、玄関より下のフロアになる1階は光を拡散させるように
 白いボードというふうに、室内の採光条件や開口部からの景色に対応させている。
 複雑に折り込まれたさまざまな場所をもち、それがワンルームとしてゆるやかに
 つながり、魅力的な空間を成り立たせている。


 『 S-HOUSE 』 TOTO通信 2008.春号 
岡山県岡山市
設計 妹島和世+西沢立衛/SANAA
施工 まつもとコーポレーション
階数 地上2階   
構造 木造
面積 敷地面積 131.32㎡
   建築面積 86.85㎡
   延床面積 142.39㎡
地域地区 市街化調整区域 法22条地域

※操作された距離
 平面がおよそ9.5m×9.5m、高さが6mの小さな立体。
 北と東の2面はスレート波板、南と西の2面はポリカーボネイト波板で全面が
 覆われている。
 隣には石綿スレートで覆われた倉庫がたち、外観上は倉庫と思えるような存在
 である。
 3枚の引き戸をくぐって内部に入ると、そこは2層、すなわちほぼ6mの天井高の
 回廊がある。
 四周をめぐるその幅は、約75㎝。
 人が日常を使う空間としては極小の幅である。
 その異様なプロポーションが、たちまち小さな住宅の中に大らかなスケール感を
 もち込む。
 住み手は移動のたびに必ず、この限定された素材からなる厳かささえ感じさせる
 空間を通ることになる。
 回廊の高さ3mから上の、機能的に必ず必要というわけではない空間、
 その言わば余白の空間が、小住宅が陥りがちなせせこましさからの解放を
 実現している。
 家族の成員は互いの部屋に行くにも、浴室を使うにも、2階に集まるにも、
 回廊という通路を伝い、長い距離を歩く必要がある。
 回廊の全長はじつに36m。
 歩行距離は短くという単純な合理性を拝し、移動時の距離を敢えて長く設定
 することで、家族の成員の暮らしの独立性を高め、また体感上の広さを
 生んでいる。


 『 安城のスタジオ/リフラクション・ハウス 』 独身者の住まい 2002.8 
愛知県
設計 竹山 聖
構造 鉄骨造(長く伸びる形)+鉄筋コンクリート造(高く伸びる形)
面積 延床面積 130.80㎡

※くの字に折れ曲がりながら建つ姿。
 赤く錆びた鉄の外壁。
 白く塗られた内部の壁と天井には、トップライトからの光がさまざまな
 角度から反射され、緊張の空気が張りつめた静かな空間に、やさしい動きを
 つくりだす。
 この住宅には、ふたつの場所がある。
 長く地を這う形と高く天に向かって伸びる形。
 このふたつの形が、それぞれ正反対の表情を与えられることによって、
 『住まいの中に異なる対極的な場所があるべき』という建築家の思いが実現する。
 そして何よりここには、詩的な世界があふれている。


 『 光の矩形 』 日経アーキテクチュア 2008.3 
札幌市北区
設計 五十嵐淳建築設計
構造 長谷川大輔構造計画事務所
施工 大岡産業
階数 地上2階
構造 木造
面積 敷地面積 119.20㎡
   建築面積 39.40㎡
   延床面積 71.54㎡
   建ぺい率 33.05%(許容50%)
   容積率  60.02% (許容80%)
最高高  6,7095.5㎜ 軒高 6,633㎜
階高   3.9305m  天井高 4.3m
地域地区 第1種低層住居専用地域 第1種高度地区

※玄関に入る。ほんの少し低くなった1階の部屋に下りていく。
 南側正面には、ホリゾントのように光る白い壁がある。
 壁は二重になっていて、東西に設けたガラスのスリット状の窓から
 外の光が入って外部側の白い壁を照らす。
 居室側には四角く切り欠いたもう一つの壁があって、光はフレーム越しに
 室内に明るさを届ける。
 ほんのりと薄明るく、静かな落ち着き。
 北側の階段室が、家族それぞれの専用スペースを兼ねている。
 人が通れる程の幅の吹抜け空間が、大きく開けられた四角い窓に
 印象的な光を導いている。
 その結果、幻想的な空間がひろがっている。


 『 住宅K 』 住宅特集 2003.02 
東京都杉並区
設計 北山恒+architecture WORKSHOP
構造 江尻建築構造設計事務所
施工 前川建設
階数 地上3階
構造 鉄筋コンクリート造
基礎 べた基礎
面積 敷地面積 60.67㎡
   建築面積 42.20㎡
   延床面積 134.28㎡
   地上1階 12.05㎡(車庫24.10㎡)
     2階 34.14㎡ 
3階 32.81㎡(ロフト31.19㎡)
   建ぺい率 69.56%(許容70%)
   容積率  181.61%(許容218%)
最高高  9,880㎜ 軒高 9,200㎜
地域地区 準住居地域 防火地域 第3種高度地区
     最低限高度地区(7m以上) 不燃化促進区域

※この設計の過程では表現のための操作は一切行っていない。
 そこで見えてきたことは限界点を探り、さまざまな付着物を
 そぎ落とした中にも空間は創造できるということだ。
 小住宅ブームの中で意味不明の形態操作が行われ、時には構造
 さえも不思議な空間を表現するための道具立てとして使われるの
 だが、この住宅の設計プロセスでは他律的にすべてが決まっている。
 そして、住まい手がゲームのようにこの設計のプロセスに参加できた
 ということなのだ。
by akiyoshi-n | 2008-09-29 00:01 | MY本棚(住宅)

大阪市西区京町堀の設計事務所 Coo Planningの施工事例と進行中の仕事の紹介をしています。


by akiyoshi-n