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『白と黒の平面プラン』からみる自由な暮らしができる舞台





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 『 黒/白の住宅 ヒムロハウス 』 住宅特集 2003.02 
大阪府枚方市
設計 小嶋一浩/C+A
構造 中田研究室
施工 志水工務店 他
階数 地上2階 
構造 木造 一部鉄筋コンクリート造
基礎 布基礎
面積 敷地面積 2,028.92㎡
   建築面積 187.86㎡
   延床面積 192.35㎡
    1階 177.85㎡
    2階  14.50㎡
   建ぺい率  9.26%
   容積率   9.48% 
最高高  4,640㎜ 軒高 4,180㎜
地域地区 市街化調整区域 法22条地区
道路幅員 北西12m 駐車台数5台

■折れ曲がった細長い平面プランは、その内部がさらに長手方向に2分割されている。
 並列にならぶ一方の空間は、間仕切りのない一室に広がる『白』のスペース。
 もう一方が、小さい空間が連続する『黒」のスペース。
 通常の建築は、住宅に限らずとも『部屋名』のついた目的的な空間と
 それをつなぐ動線でできている。
 こうした建築は一見合理的なように見えて、実はとても窮屈であり不合理でもある。
 目的的な空間は、その性能が向上するほどそれ以外の使い方にそぐわなくなるし、
 そうすると今度はその目的にあったときしか使われないから、利用頻度が下がる
 ことになる。
 また目的(機能)が変わったときには、使用が放棄されるか改修を余儀なく
 される。
 日本の住宅の場合、一般にすごく小さな家の場合でも、家族の人数分の個室が
 まず過不足なく確保される。
 結果としてリビング・ダイニングと呼ばれる本来いろいろなことが起こるであろう
 場所は小さく、一度家具や家電を置いてしまうと、たとえば食卓=食事、TV=TVを
 見る、といった一対一対応の行為で埋め尽くされて身動きできなくなってしまう。
 『それ以外の何か』など起こりようがない。
 『夫婦+子供』のいわゆる『核家族』と称される生活のしかたの不自由さから
 逃れるには、使われ方に即した部屋名がある空間ではなく、いろいろな
 アクティティが発生し得る、使われ方によって、その場所の呼び名が
 変わっていくスペースが、全体の半分くらいは必要だと考えている。
 空間が折れ曲がることで、実際以上の距離感が生まれる。
 空間の中に見えそうで見えない部分があることで、人はその方向に引っ張られる。
 あるいは視点の微妙な移動で、空間の現れ方が大きく揺らぐ効果もある。
 ここでは折れ曲がりが人の動きやアクティビティを喚起する。

□いつまでも流動的な空間であってほしいと思い、プランを練り上げる。
 それでも、そこには必要最低限なきまりごとが加えられていく。
 そのきまりごとを、ひとつの場所としてとらえ全体の空間に散りばめていく。
 空間に見えそうで見えない部分をふくませ、小さな街のような距離感を生み出す。
 最終的には建て主の判断となるが、自由な暮らしができる舞台となればと、思いを
 込める。



 
お客様との対話を通して、『楽しさ』や『気持ちよさ』などの『魅力』を共に発見していくこと・・・
それが『Coo Planningの家づくり』です!



ナカオアキヨシ/一級建築士事務所 Coo Planning 
 
by akiyoshi-n | 2008-11-07 11:55 | MY本棚(住宅)

大阪市西区京町堀の設計事務所 Coo Planningの施工事例と進行中の仕事の紹介をしています。


by akiyoshi-n