43:パリあたりでは、今も自分より、うんと背の高い木製の両開きの扉が健在です
2009年 06月 28日
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この『浜寺の家』では、スチール製の引き戸を採用しました。
1、2階の外部へ通じる開き戸も、同じくスチール製としています。
マンションでは、防火区画の必要性でスチール製の玄関扉が標準ですが、
住宅では、スチールの既製品はなく、軽量のアルミ製が主流となっています。
そのため、結構デザイン製の高いものも多く、種類も豊富です。
逆に、デザインされていない、いたってシンプルなものがないので困るほどです。
この扉は、大きいので少し重く感じるかもしれませんが、
この家を守り、人を迎える玄関として、いつまでも活躍してほしいと思います。
最近は、どこへ出掛けても自動扉が多くなりました。
扉は、やはり軽くて、開け閉めしやすい方がいいのでしょうか。
パリあたりでは、今も自分より、うんと背の高い木製の両開きの扉が健在です。
見た通りで、それは買い物袋を片手に、ちょっともう一方の手で開けるなど出来そうも無い重さです。
中山美穂さんの著書『なぜなら やさしいまちが あったから』のなかにも、
こんな言葉がありました。
東京のようにあらゆるドアが自動で開閉はしませんので、タクシーにしても店にしても
ほとんどのドアを手で押したり引いたりします。
ドア自体重たいものも多いです。
特に古い建物のメインドアは飛びきり重い。
私の場合は体の重心を少し落とし、腰に力を入れないと開きません。
お年寄りや子供が開けようとする際は、すぐそばを通りかかった人が手伝います。
ふだんよく見る光景です。
自分の後ろに続く人のために、ドアを開けたまま譲るという習慣もあります。
私も、すぐ後ろの人のためには快くドアを押さえていられるのですが、10メートル後ろに
いる人のためにドアを支えて待っている時は少し妙な気がしてしまうことは否めません。
10メートル先にいる人に待ってもらう時も。
ですが、メトロでは出口に向かう人が連なっていますので、バトンタッチのようにドアを支えながら次々にありがとうの言葉が発せられます。
パリで、いちばん多くありがとうの言葉が発せられるのは各駅のメトロのドアだと私は思います。
多くのありがとうが呼吸する1枚のドアに、いつまでも手動でいてね、と思うのです。
地下と地上を繋ぐ階段には、ありがとうの言霊が並んでいます。
『Coo Planning と建てる、注文住宅』
注文住宅 大阪(施工例)
by akiyoshi-n
| 2009-06-28 10:53
| いつか一緒に家を建てよう